【書棚】ENDURE
2時間切りの話題に続き。
『ENDURE』を読了しました。
著者はカナダのアスリート兼研究者という面白い肩書をお持ちです。
前回の2017年、ナイキによるBreaking2プロジェクトの
舞台裏を題材にしつつ、人の限界はどこまでなのかを
多角的に研究した一冊です。
マラソン関係の話題が中心と期待していたのですが、
南極点やエベレストへのボンベなし到達、酷暑の砂漠で
水無しで生き抜いた人の生存記録、素潜りでの最深挑戦など、
多方面で限界に挑戦する人を扱っていました。
この本の一番のメッセージは、「限界は脳が決める」ということです。
疲労感や喉の乾き、痛みなどあらゆる手段をもって
脳が訴えてくるが、極限状態や眼の前のことに没入した人が
それを乗り越えることができる、という事例がいくつも提示されています。
大迫選手が「マラソンはメンタルが40%」ということを話していました。
キプチョゲ選手も、今回の挑戦で「はじめの1キロで達成できると思った」
というように、成功のイメージを強く持っていたからこそ、
快挙を達成できたんだな、と思います。
改めて最後まで粘れる心こそが、壁を突破する道なんだなと感じました。
Breaking2のエピソードは本の中で小出しに出てくるのですが、
キプチョゲ選手がかっこよすぎました。
しびれた場面としては、本番のサーキットをハーフで試走した時、
60分を切れたのはキプチョゲ選手だけでした。
そこで、著者が「何%の力で走ったか?」と聞いたところ
微笑して
「60%」
と答えたそうです。
しかも、「トレーニングの一環」だそう。
か、、かっこよすぎる!!!😍
厚めの本でしたが、とてもためになりました。
- 限界は何が決めるのか? 持久系アスリートのための耐久力(エンデュアランス)の科学
- TAC出版
- 2019-09-14
- 本