書棚『マラソンのエネルギーマネジメント』
久しぶりとなった書棚は、
これまた久しぶりのハードカバーです。
(Kindle版が無かったため)
著者は、東大で長年研究の傍ら
陸上選手のサポートも務める現役ランナーです。
まずは基本として、
糖からエネルギーを作り出す仕組みを
嚙み砕いて説明した後は、
体内の糖だけでは足りないので、
いかに補給し、また効率よく走るため
トレーニングを考えるべきかについて、
研究を元に述べられています。
トレーニング理論の本ではないので、
その点を理解して読むことが重要です。
LT値を高めることの重要性
vo2max(最大酸素摂取量)も大事だが、
マラソンはLT値以下で走るスポーツなので、
LT値をいかに高めていくかが大事
という主張は、もっともだと感じました。
※LT=「比較的長時間走れるきつさ」
くらいの理解で良いと思います。
しかし、普段のトレーニングで
LT値以下でしか走っていなければ、
高めることは難しいです。
エネルギーを生み出すミトコンドリアが
遅筋繊維に偏っていれば、
マラソン後半のエネルギー産生が難しくなるので、
速筋繊維を鍛える=スピード系トレーニング
の重要性も説かれています。
レペティションやウインドスプリントといった
無酸素に近いトレーニングは、
・ランニングエコノミーの改善
・速い動作の獲得
といった目的がありますが、
速筋繊維に刺激を入れることで、
ミトコンドリアの活性を促す
という側面もあると理解しました。
一方、、
サングラスを「顔を隠すもの」として、
選手は顔を見せて応援をもらうべき、
と述べているのですが、
眼病や紫外線対策としての側面が
全く考慮されていないので、
専門外のところは狭量さを感じました🙄
それ以外の点は参考になりました。