待っていたのは、人生最高の瞬間。ボストンマラソン振り返り
ボストンマラソンの振り返りです。
開始前
高揚感?緊張感?から少し早めに目が覚めました。
とうとう、ボストンを走れる。
会場に向かう前から万感の思いで一杯でした。
まずは手荷物を預けた後、スタートへ向かうバスへ。
割り当てられたウェーブごとに
バスの時間が決まっているので、
混雑はし過ぎていない感じでした。
バスによっては不慣れな運転手さんが
道に迷い、時間をロスしていたようです。。
(メンタルにも悪影響。運要素が強すぎる😨)
が、自分のバスは特にトラブル無く、
小1時間でスタート地点のホプキントンへ到着。
ここで準備します。
気温は6℃でしたが、風はあまりなく
日が当たっていれば十分暖かい陽気でした。
マラソンにはベストコンディションです。
こんな最高の日に走らせてくれることに、
感謝しかありません。
しかし、自分の状態はよくて50%。
残念ながらピークには程遠い状態です。
どこまでやれるか、全く分かりませんでした。
こんな状態で大一番に臨むことは
不本意でしたが、来たからには走る以外ありません。
これまでの自分に誓って、
不甲斐ない走りだけはしないようにしよう。
そんな思いでスタート地点へ向かいました。
スタート~前半戦
第2ウェーブの先頭コーラルからスタート。
初めからジェットコースターを思わせる
下りの傾斜で先が見えません😨
相当なアップダウンを覚悟しました。
スタート後、日本人の方から話しかけられつつ、
ここは絶対に飛ばさないと決め、
慎重に足を進めました。
はじめの1キロは4:15ほどでした。
が、それでも周囲にはガンガン抜かれます😅
ボストンはタイム順にゼッケンが割り当てられるので、
周囲には同レベルの方しか居ません。
(ツアーやチャリティの方は最後のウェーブ)
人数は多いものの、渋滞とは無縁でした。
その後は大勢に抜かれつつも、
自分のペースを死守。
熱狂的な沿道の応援に応え、
公認となった名物犬のスペンサー君から
元気をもらうなど、楽しく走っていました。
しかし、10キロ過ぎから足が重く感じます。
時計を見ると、4:35付近まで落ちています。
アップダウンがあるので仕方ないとは言え、
思ったより早く危険信号が灯ってしまいました。
15キロ過ぎに、なんとフラナガンさんを発見!
Bombing survivor Adrianne Haslet says running today's #BostonMarathon with Marblehead's Shalane Flanagan was the "best day of my life" https://t.co/5nggn427iR pic.twitter.com/ksuNKoBspw
— WBZ | CBS Boston News (@wbz)
今回は13年の爆破テロで左足を失った
ハスレットさんの伴走を務めていました。
(この時は歩いていたので分かりました)
テンションを上げて持ち直し、
上りで踏ん張り、下りでひと呼吸、
というサイクルを繰り返す後、
なんとかハーフ地点まで到達。
ここは、ウェルズリー女子大生による
熱狂的な応援(通称"scream tunnel")があります。
the infamous wellesley scream tunnel
所々でハイタッチをしつつ、
元気をもらうつもりでしたが、
この時点で足はもうパンパンに張っており、
すでに終了モード。
ハーフ通過は1:34前後でした。
東京より2分は遅いですが、余力は全くなく、
足は、ここでゴールしたがっていました。
やはり、マラソンは甘くありません。
こうなることは想定していたので、
心は落ち着いていました。
最後まで諦めない。後半戦
しかし、あと距離は半分残っており、
25キロ過ぎからは断続的な4つの坂が待っています。
このまま行けば、無事死亡は目に見えています。
ここで、次なる目標であった「完走」に切り替えました。
絶対に歩きたくない!
ペースを落としてもいいから、
坂を走りきれる余力を維持して走ろう!
と思い、あとは体感を信じて行くのみでした。
ここから先は、計画もあったものではありません笑
25キロ過ぎ、1つめの坂を越えたあたりから、
足つりの兆候が出始めます。
こんな時は、経験則ですが
立ち止まってしまうと激痛で悶絶するので、
ペースを落として走り続け、
本当につる一歩手前になったらコムレケアを投入しました。
- 【第2類医薬品】コムレケアゼリー 4包
- 小林製薬
- Drugstore
この後は、
少し痛みが引いてくる
→ペースを元に戻す(※完走できる、と思えるペース)
→また痛みだす
→ペース落とす
の繰り返しでした笑
4つ目となる、「心臓破りの坂」を越えた後は
下り基調なのですが、足つりと戦うのが精一杯で
ペースを戻すまではいきません。
後半になってからも、
近年記憶に無いくらい抜かれました。
沿道の大歓声に包まれる中、
最後の気力を振り絞り、ゴールへ向かいます。
ゲート上のタイムは3:24台を指していましたが、
この時は真っ先に
「あれ、まだサブ3.5だったんだ・・・」
と思いました笑
最後に特大の痛みを抱えながらも、
なんとか振り切ってゴール!
気力も水分も出し切り、
感動の涙は残っていませんでした笑
フィニッシュ後
タイムだけ見れば惨敗、
ラップも、自分が一番嫌と思う後半失速型です。
しかし、ゴール後はそんな思いも全く無く、
そこはかとない満足感、幸福感で一杯でした。
何故でしょう?
「ボストンマラソンを完走する」という、
長年の目標を達成できたこともありますが、
今になって思えば、
元々ベストを狙える状態ではなかった中で、
「最後まで歩かず走りきった」
という事実があったからだと思います。
それを達成させてくれたのは、
これまで頑張ってきた過去の自分と、
日本で応援してくれた方々や、
途切れない沿道の大声援でした。
最後まで、諦めずに頑張れました。
ここまで来た自分を、誇りに思います。
マラソン人生最高の瞬間でした。