カモメのはぐれ旅

健康オタクが日本と世界を走る。SixStar Finisher達成(2023/9)

服部勇馬選手、涙の完走に思う

大衆に好まれる「美談」のたぐいは、


・一部のエピソードだけで全体図や本当の問題が
 覆い隠されてしまう
・聞き手が都合よく「消費」して涙するだけの話
 (当人の思いは蚊帳の外)


なところがあるので正直好きではありませんが、
男子マラソンで「涙の完走」を果たした服部勇馬選手も、
まさにこれに該当すると思っています。



フラフラになりながらも懸命にゴールした服部選手の姿は
多くの視聴者の感動を呼びましたが、ご本人は重度の熱中症でした。


ハーフを過ぎて遅れだしてから、明らかな異変が見られ、
相当なペースダウン。


中継に映っていなかったので詳細はわかりませんでしたが、
ゴール前でようやく映った時は衝撃的でした。


ゴール後は膝を付き、自分では歩けず
車椅子で付き添われての退場でした。
水のボトルも持てないほど消耗しきっていました。


反論・異論を承知で書きます。


私が監督だったら、本人や、国民に嫌われても
ペースダウンした時点で棄権を選択しています。


服部選手の、様々なものを背負って走っている心は
最大限尊重したいです。


しかし、服部選手の命のほうが比較にならないほど大切です。
何かあってからでは遅いです。


熱中症も、数日ですぐ回復するというようなものではありません。
重度であればなおさらです。


一命は取り留めても、完走で計り知れないダメージを負ってしまい、
その後の選手生活に影響が出ることも大いにあります。


周囲は期待していますが、誰も服部選手の命、選手生活に
責任を持ってくれるわけではないのです。


服部選手のこの先を願う身であれば、
なおさら止めるべきだったと思います。


これが取り越し苦労で終わり、順調に回復することを願っています。


そして、本当の問題は


この条件でマラソンをやるべきではない


ということに尽きます。


日々鍛えているアスリートが、3割も棄権するというのは
はっきり言って異常です😨


ただでさえ身体に甚大な負担がかかる運動をしているのに、
この日の30℃、湿度70%というコンディションで
マラソンをするのは非常に危険です。


2年前のドーハから何を学んだんだ…と思いたくなりますが、、



重大事故に至ってからでは遅いです。


この事実をきっかけに、時期や気温などの議論が
盛んになってくることを期待したいです。

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